英語が通じて涙が出そうになった話|ビザトラブルでイミグレーションに電話した27歳

最大の危機?カナダワーホリ|ビザトラブルでイミグレーションに電話した27歳

27歳の私は、英語力に自信などなかった。なかったどころか、カナダへ出発する直前まで必死にTOEICの勉強をして、それでもスコアは405だった。

今なら分かる。

405は決して高い点数ではない。

海外で働くことを考えれば、不安しかないレベルだったと思う。

それでも私はカナダへ行った。

英語ができるから行ったのではない。

今の環境を変えたかったから行ったのだ。

そして、その数か月後。

私はビザの問題で、英語でイミグレーションに電話しなければならなくなった。

当時の私にとって、それは人生最大級の試練だった。

カナダワーホリ最大の危機?

27歳の私は不安を乗り越え、勢いだけでカナダへ渡り、エドモントンでレストランの仕事を見つけ、何とか生活を続けていた。

そんなある日、問題が発生した。

私はワーキングホリデーでカナダに入国したが、当時の制度では最初に半年間の滞在許可が与えられ、その後、条件を満たせば残り半年の延長手続きを行う必要があった。

私は必要な手続きをしたつもりだった。

ところが、待っても待っても延長後の書類が届かない。

「おかしい……」

だんだん不安になってきた。

実は入国時、同じワーキングホリデーで来た日本人と話す機会があった。

その人は、本来1年間のワーキングホリデーのはずなのに、なぜか3か月しか滞在許可が出ていなかった。

移民局側の手続き上の問題だったのか、何か別の理由があったのかは今でも分からない。

ただ、その話を思い出すたびに不安になった。

もしかして私の手続きも何か問題があったのではないか。

もし延長できていなかったらどうなるのか。

最悪の場合、日本へ帰国しなければならないかもしれない。

エドモントンで仕事も見つかり、ようやく生活が軌道に乗り始めていた時期だっただけに、その不安は想像以上に大きかった。

「ビザの延長手続き、大丈夫だろうか?」もう、2か月以内にビザが切れる・・・。

今ならネットで簡単に確認できることも、当時はそうではなかった。

しかも相手は移民局(イミグレーション)。

英語で電話しなければならなかった。

英語が苦手な27歳にとっては、人生でもトップクラスの緊張だった。


生活がかかると英語は急に重要になる

日本にいた頃の私は、英語は試験のための勉強だった。

しかしカナダでは違った。

部屋を借りる。

銀行口座を作る。

仕事を探す。

携帯電話を契約する。

そしてビザを維持する。

英語は点数ではなく、生きるための道具だった。

だからこそ、このビザの件は本当に焦った。

もし手続きがうまくいっていなかったらどうなるのか。

最悪の場合、日本へ帰らなければならないかもしれない。

そんな不安が頭をよぎった。


イミグレーションへ電話することを決意

何日か悩んだ。

英語に自信がない。

聞き取れなかったらどうしよう。

質問の意味が分からなかったらどうしよう。

だが、悩んでいても状況は変わらない。

私は紙に話す内容を書き出した。

自分の名前。

ビザの種類。

現在の状況。

聞きたいこと。

予想される質問。

返答のパターン。

今振り返ると、これが私の英語学習の原点だった気がする。

英語ができる人は、頭の中だけでやり取りできる。

でも私はできなかった。

だから準備した。

準備することで不安を減らした。


電話がつながった瞬間

深呼吸をして電話をかけた。

もちろん緊張していた。

相手が何を言っているのか必死に聞く。

聞き取れない部分もあった。

何度か聞き返した。

“Could you say that again, please?”

当時はこの一言を使うだけでも勇気が必要だった。

それでも相手は嫌な顔をしない。

いや、電話だから顔は見えないのだが、声のトーンから親切さが伝わってきた。

私は必死に状況を説明した。


英語が完璧じゃなくても伝わった

しばらくやり取りを続けたあと、担当者は私の状況を確認してくれた。

そして必要な手続きについて説明してくれた。

私は理解できた。

そして相手も私の言いたいことを理解してくれていた。

電話を切ったあと、思わず力が抜けた。

「通じた……」

その瞬間、涙が出そうになった。

ネイティブのように話せたわけではない。

文法も完璧ではなかった。

発音も怪しかったと思う。

それでも通じた。

生活がかかった場面で、自分の英語が役に立った。

その事実が本当にうれしかった。


英語学習で大切なのは「自分事」

今でも思う。

英語が伸びたのは参考書のおかげだけではない。

自分事だったからだ。

部屋探し。

仕事探し。

住所変更。

携帯契約。

そしてビザの問題。

どうしても伝えなければならない状況があった。

だから必死に準備した。

だから覚えた。

だから使えた。

英語学習で伸び悩んでいる人は多い。

私もそうだった。

しかし、自分にとって本当に必要な場面があると、人は驚くほど学習する。

カナダでの経験は、それを教えてくれた。


あの電話が教えてくれたこと

27歳の私は、英語が得意だったわけではない。

むしろコンプレックスの方が大きかった。

それでも勇気を出して電話した。

そして通じた。

あの日の経験は、今でも忘れられない。

英語とは完璧になるまで使ってはいけないものではない。

不完全なままでも使うものだ。

その積み重ねの先に成長がある。

ビザトラブルで焦ったあの日。

私は英語力だけではなく、自分自身への小さな自信も手に入れたのだと思う。


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