I’m poor at the moment. に救われた日|人生は状況であって、自分そのものではない
カナダで出会った一言
27歳の私はカナダでワーキングホリデー生活を送っていた。
英語力に自信はなかったし、お金も潤沢ではない。
仕事を探しながら、何とか生活を維持していた頃だった。
ある日、職場の同僚だったジェシカとお金の話になった。
彼女は現地の大学生だった。
そこで私は何気なくこう言った。
“I’m poor.”
私は「私は貧乏です」と言いたかった。
するとジェシカは少し笑いながら言った。
“I’m poor at the moment.”
その時ハッとした。
この一言は20年以上経った今でも忘れられない。
「私は貧乏」と「今は貧乏」の違い
英語としては小さな違いだ。
しかし考え方としては大きな違いだった。
“I’m poor.”
これは、自分自身を定義している。
私は貧乏な人間だ。
私はそういう存在だ。
そんなニュアンスがある。
一方で、
“I’m poor at the moment.”
は違う。
今はお金がない。
ただそれだけだ。
状況を説明しているだけで、自分自身を否定していない。
ジェシカは自分を「貧乏な人」と決めつけていなかった。
一時的な状況として受け止めていたのである。
氷河期世代の私が抱えていた思い込み
振り返ると、私は長い間いろいろなことで自分を決めつけていた。
大学受験に失敗した。
だから自分はダメだ。
転職を繰り返した。
だから自分はダメだ。
お金を失った。
だから自分はダメだ。
自己破産した。
だから自分はダメだ。
そんな考え方を何度もしていた。
しかし、それらは全て「出来事」であって、自分そのものではない。
失敗した人ではなく、
失敗を経験した人。
お金がない人ではなく、
今はお金がないだけ。
この考え方の違いはとても大きい。
52歳になった今だから分かること
私は52歳になった今でも人生を立て直している途中だ。
失業中である。
友達もほとんどいない。
SNSもまだ結果が出ていない。
ブログ収益もほぼない。
数か月前には所持金5円になったこともあった。
昔の私ならこう考えていたかもしれない。
「自分は終わった」
だが今は違う。
今はそういう状況なだけだ。
人生には季節がある。
冬のような時期もあれば、春のような時期もある。
ジェシカの言葉を思い出すたびにそう感じる。
私は失敗作ではない。
今は人生の再建工事中なのだ。
英語以上に学んだこと
カナダで学んだのは英語だけではなかった。
考え方だった。
価値観だった。
人生の見方だった。
英語力よりも大切なものを、私は海外生活の中でたくさん学んだ。
そして、その中でも特に印象に残っているのが、
“I’m poor at the moment.”
という一言だった。
もし今、人生がうまくいっていない人がいるなら伝えたい。
あなたは失敗そのものではない。
今はそういう状況なだけかもしれない。
状況は変わる。
季節も変わる。
だから私は今日も少しずつ前へ進む。
私は人生の次の季節に向けて準備している。
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