オールブラックスしか興味ないNZ人

オールブラックスしか興味ないNZ人(笑)

ニュージーランドで生活していた頃、私はよく思っていた。

「この国の人たち、本当にラグビーしか興味ないんじゃないか?」

もちろん冗談半分だ。

しかし、実際に生活してみると、それくらいラグビーが国民生活に根付いていた。

日本で言えば野球やサッカーが人気スポーツだが、ニュージーランドではラグビーが別格だった。

特にオールブラックスの存在は特別だった。

2002年、28歳だった私はワーキングホリデーでニュージーランドに渡った。

残金20万円。

英語力も十分とは言えない。

そんな状態で始まった海外生活の中で、ニュージーランド人たちから学んだことがある。

それは「好きなことを堂々と語る力」だった。

とにかくラグビーの話になる

果樹園で働いていた頃もそうだった。

休憩時間になると話題はラグビー。

パブへ行ってもラグビー。

テレビをつけてもラグビー。

新聞を開いてもラグビー。

気づけばラグビー。

私は正直、当時ラグビーにそこまで詳しくなかった。

ルールも曖昧だった。

だから会話についていけない。

しかし不思議だったのは、それでも彼らは気にしないことだ。

「オールブラックス知ってる?」

「今度の試合見た?」

「誰が好き?」

そんな話題が次々に飛んでくる。

私は曖昧に笑うしかなかった。

すると、

「じゃあ日本では何が人気なんだ?」

と逆に聞かれる。

私はB&Bにいる時、ニュージーランド人や他の国の人たちと一緒にテレビで日韓ワールドカップの試合を観ていた。

日本と韓国で開催されている大会を、まさかニュージーランドで見ることになるとは思っていなかった。

海外で見る日本開催のワールドカップ。

それは少し不思議な感覚だった。

ただ、そこで感じたのは文化の違いだった。

サッカーワールドカップは世界的な大イベントだ。

もちろん彼らも試合は観ていた。

でも、ニュージーランド人の本気の熱量は、やっぱりラグビーだった。

会話の中心にあるのはオールブラックス。

テレビでサッカーを観ながらも、どこかで

「この国の本命はサッカーじゃないんだな」

と感じた。

日本で盛り上がっているワールドカップを、ニュージーランドで見ている。

でもニュージーランド人の心の中心には、やっぱりオールブラックスがいる。

そのギャップが、妙に面白かった。

英語力より話題の方が重要だった

カナダでも感じたことだが、海外では英語力だけでは会話は続かない。

話題が必要なのだ。

どれだけ英語が上手でも話す内容がなければ会話は続かない。

逆に英語が完璧でなくても、自分の好きなことや興味があることなら話せる。

ニュージーランド人たちはその典型だった。

彼らはラグビーの話になると止まらない。

細かい戦術や選手の話を延々と続ける。

私は全部理解できたわけではない。

しかし楽しそうに話していることだけは伝わってきた。

そして気づいた。

会話とは語学力だけではない。

「何に興味を持っているか」

の方が大切なのだと。

日本人は無難な話をしがち

海外へ行って感じたことの一つがこれだった。

日本人は無難な話題を選びがちだ。

天気。

仕事。

最近どう?

それも悪くない。

しかしニュージーランド人たちは違った。

好きなチーム。

好きな選手。

趣味。

旅行。

夢。

自分の関心があることを普通に話す。

だから会話に熱量がある。

英語力の問題ではない。

人生に興味を持っているかどうかだ。

果樹園で出会ったイギリス人青年

果樹園ではイギリス人の若者とも一緒に働いた。

彼もラグビー好きだった。

そして将来のことや旅の話をよくしていた。

当時の私は28歳。

将来が不安で仕方なかった。

しかし彼らを見ていると、どこか人生を楽しんでいるように見えた。

ワーキングホリデーも特別な挑戦ではない。

人生の一部。

そんな感覚だった。

後に私が書く予定の

「世界には“イヤーオフ”が普通の国があった」

という話にもつながる。

海外では人生を急ぎ過ぎない人が多かった。

オールブラックスは国民の共通言語

オールブラックスは単なるスポーツチームではなかった。

国民の共通言語だった。

日本で初対面の人と何を話せばいいかわからないことがある。

しかしニュージーランドではラグビーの話をすれば会話が始まる。

これは少し羨ましかった。

共通の話題がある。

共通の誇りがある。

国全体が一つのチームを応援している。

そんな空気があった。

もちろん私は外国人だから完全には理解できない。

しかし国の一体感は伝わってきた。

私も話せるテーマを持ちたいと思った

今振り返ると、私はニュージーランドで英語以上に大切なことを学んでいた。

話せるテーマを持つこと。

好きなことを持つこと。

興味を持つこと。

人生経験を積むこと。

実際、今こうして情報発信できているのも同じだ。

カナダへ行った。

ニュージーランドへ行った。

失敗した。

挑戦した。

自己破産もした。

手持ち5円にもなった。

だから話すネタがある。

以前も書いたが、

話のネタのない人生は少し寂しい。

挑戦して失敗した経験こそ、人に話せる価値になる。

ニュージーランド人たちはラグビーを語った。

私は人生の再起動を語ろうと思う。

英語力より大切だったもの

28歳の私は英語力に不安があった。

IELTSにも苦戦した。

お金もなかった。

将来も見えなかった。

それでも海外生活は何とかなった。

なぜか。

完璧な英語を話せたからではない。

興味を持ち、人と関わろうとしたからだ。

ニュージーランド人たちはオールブラックスの話を楽しそうにしていた。

私はその姿を見ながら、

「英語より先に、自分の人生を面白くしないといけないな」

と思った。

そして25年後の今。

ようやく、その経験をこうして記事にできている。

人生に無駄な経験なんて、本当にないのかもしれない。

次回は、果樹園生活から一転して働くことになった

「ワイナリーレストランの日々」

について書こうと思う。

まさかニュージーランドでレストラン勤務をするとは、この時の私は想像もしていなかった。

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