SNSは人を幸せにしたのか(前半)
SNSは私たちを本当に幸せにしたのだろうか
Facebook、X、Instagram、TikTok、YouTube、Threads…。
今やSNSは、私たちの生活に欠かせない存在になった。
家族や友人とつながり、世界中の出来事を知り、自分の考えを自由に発信できる。
20年前には考えられなかった便利な時代だ。
私自身も今、ブログやnote、SNSを通じて情報発信をしている。
だからSNSそのものを否定するつもりは全くない。
むしろ、会社を辞めた今だからこそ、新しい働き方や人とのつながりを与えてくれる大切な存在だと感じている。
しかし、その一方で、SNSが人を幸せにしたのかと聞かれると、私は簡単には「はい」と答えられない。
便利になったはずなのに、孤独を感じる人は増えた。
つながれるようになったはずなのに、人間関係に疲れる人も増えた。
情報が増えたのに、不安まで増えてしまった。
SNSは、私たちに何を与え、何を奪ったのだろうか。
今回は、そんなことを考えてみたい。
SNSは「比較する社会」を加速させた
他人の人生はいつも輝いて見える
SNSを開けば、
海外旅行。
高級レストラン。
ブランド品。
結婚。
出産。
昇進。
起業。
毎日のように誰かの「幸せ」が流れてくる。
もちろん、それ自体は悪いことではない。
誰かの幸せを知ることは、本来なら喜ばしいことだ。
しかし、人は無意識のうちに比較してしまう。
「自分は何をしているんだろう。」
「みんな順調そうなのに。」
「自分だけ取り残されている。」
そんな気持ちになった経験がある人も少なくないはずだ。
実際には、SNSは人生の一部分しか映していない。
苦しい日も、泣いた日も、不安な夜も、多くの人は投稿しない。
だから、私たちは「誰かのベストシーン」と「自分の日常」を比べてしまう。
これでは苦しくなるのも当然だ。
承認欲求が終わらない時代
SNSには「いいね」がある。
フォロワー数がある。
再生回数がある。
数字で評価される世界だ。
私自身も情報発信をしているので、数字が気になる気持ちはよく分かる。
記事が読まれれば嬉しい。
動画が伸びれば励みになる。
反応があることは、発信を続ける力にもなる。
しかし、それが目的になってしまうと苦しくなる。
「もっと伸ばしたい。」
「もっと評価されたい。」
「なぜ今回は反応が少ないのだろう。」
終わりがない。
数字は次々と更新されるからだ。
SNSは便利な道具である一方、人間の承認欲求を刺激し続ける仕組みでもある。
だからこそ、「SNSを使う」のではなく、「SNSに使われる」状態になってしまう人も少なくない。
便利になったのに孤独は増えている
「つながる」と「支え合う」は違う
SNSでは、何百人、何千人と簡単につながれる。
昔なら考えられないほど、多くの人と交流できる時代になった。
しかし、それと同時に、「本音を話せる相手がいない」という声もよく聞くようになった。
私自身、一時期は友達がゼロになった。
連絡先を消し、人間関係をリセットし、孤独の中で生活していた時期がある。
その頃、SNSにはたくさんの人がいた。
それでも、孤独は消えなかった。
画面越しにつながることと、困った時に支え合える関係は、決して同じではない。
SNSは「つながる」ことはできても、「孤独」を完全に埋めてくれるものではないのだ。
(後半へ続く)
SNSは道具であって、人生そのものではない
情報発信は人生を豊かにすることもある
ここまでSNSの負の側面を書いてきたが、私はSNSを否定したいわけではない。
むしろ今の私は、SNSに大きく助けられている。
ブログを書き、noteを書き、自分の考えを発信する。
昔なら出版社やテレビ局など限られた人しか持てなかった「発信する力」を、今は誰でも持てる時代になった。
これは間違いなく素晴らしい変化だと思う。
私自身、会社を辞めてからAIを学び、ブログやSNSを始めたことで、新しい目標や生きがいが生まれた。
画面の向こうには、同じような悩みを抱えながら生きている人がいる。
「記事を読んで元気が出ました。」
そんな一言をいただけるだけで、「発信して良かった」と思える。
SNSは、人を傷つける道具にもなれば、人を救う道具にもなる。
結局は、どう使うかが一番大切なのだ。
幸せは「いいね」の数では測れない
本当の幸せは現実の中にある
SNSを見ていると、「幸せとは何か」が分からなくなることがある。
フォロワーが多ければ幸せなのか。
収入を見せれば成功なのか。
豪華な生活を投稿すれば充実しているのか。
もちろん、それらを否定するつもりはない。
ただ、本当の幸せは数字だけでは測れない。
朝、散歩ができること。
神社で静かな時間を過ごせること。
健康でご飯を食べられること。
誰かと笑えること。
未来に向かって一歩ずつ進めること。
そんな日常の積み重ねこそが、人を幸せにしてくれるのではないだろうか。
SNSは人生を映す鏡の一つであって、人生そのものではない。
画面の中だけを見続けるのではなく、自分自身の人生を歩くこと。
それが、SNS時代を幸せに生きるために必要なことなのだと思う。
まとめ
SNSは私たちに便利さと新しい可能性を与えてくれた。
一方で、比較、承認欲求、孤独、不安など、新しい課題も生み出した。
だからこそ、SNSを使う私たち自身が、何を大切にするかを考え続ける必要がある。
「他人と比べるため」ではなく、「自分らしく生きるため」にSNSを使う。
その意識があれば、SNSは人生を豊かにしてくれる心強い味方になるはずだ。
そして私はもう一つ、SNSを通して感じることがある。
努力しても報われる人と、報われにくい人がいる現実だ。
その違いは、本当に本人の努力だけで説明できるのだろうか。
次回は、日本社会を語るうえで避けて通れない「就職氷河期世代」をテーマに、その問いを考えてみたい。


